初心者の覚え書き【宝塚】

宝塚についてたまに書くブログ

読んでも得るものは何もなし

芹香斗亜さんと鳳月杏さんを好きな私がどうでもいいことを思いついた。

すごくどうでもいい話なのですが。

何を隠そう(たぶん何も隠されていない)私には現在推しが二人いるのです。

宝塚歌劇宙組の芹香斗亜さんと同花組の鳳月杏さんです。

5月に見た『天は赤い河のほとり』でラムセス役の芹香斗亜さんに落ちてしまった私はしばらく彼女のファンでありました。それは2か月ほど続きます。

その後、7月に花組の『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』を見て、私はあまりにもあっけなく松倉勝家役の鳳月杏さんにストンとハマってしまったのです。

 

宝塚初心者の私ですが花組を見たのはこれが初めてではなく『ポーの一族』に次いで2回目で、ジャン・クリフォード役の鳳月杏さんもばっちり目にしていたのに、しかも2回も見させていただいたのにもかかわらず、5か月ほどの時を経て突然ストンしたのでした。

もちろん『ポーの一族』だけではなく、芹香さんにハマった5月以降、彼女目当てで花組時代の映像をちょこちょこ見ていたので、当然鳳月さんを視界に入れる機会は何度もありました。しかしながらその頃は全くといっていいほど食指が動かなかったのです。

 

どうやら私は一目見て惚れるということはあまりないようで、ある日突然ノーマークだった人にハマるようです。

しかも「え?今さら?」という人にストンするから自分でも驚きおののいて顎がはずれる。

ねぇねぇその人今までも前の方にいたよね? ずっと見てたよね?

 

日頃からぼやっと生きている私ではありますが、決してその存在を見ていなかったわけではないのです。

その日その時その演目で、たまたまその人が放出するささやかな小指ほどの何かしらの凸が、私の中に数個存在する凹にカチリと当てはまったにすぎないのです。

今まではタイミングやら自分のコンディションやら感情の動きのせいで、その凸に対して凹がきちんと開いていなかっただけのことなのです。

己が気づいていないだけで、その人にハマる用意はとっくの昔にできていた。

よくよく考えてみれば無意識のうちにジャン・クリフォードをよく見ていたし、フィナーレの時も鳳月さんをちらちらと見ていたように思います。ただダメ押しの何かがそこにはなくて松倉勝家にはあったというだけなのです。

そして一旦カチッとハマった小指ほどの合致はやがてじわじわと広がっていき、いつしかもう何を見ても【好きいぃ!!】しかなくなるのです。

ただ単に歩いている姿だけでも『ひょえぇぇぇ』とのけぞってしまう。

立っている姿を見ただけでも『マジか…』という謎の言葉を吐いてしまう。

あとはもうひたすらムヒムヒニヤニヤするだけの日々を重ねていく。

 

こういった経験は別に私だけではなくて、誰しもあるんじゃないかと思うのです。

なんなんでしょうね、あの不意にストンとハマる経験。

不意にストン。ブリヂストン

 

人間の感情はたとえ自分自身であってもコントロールできないので、推しを作ろうと思ってもできないし、推しなんて作らなくてもいいと思っていてもできてしまう。

かつて某アイドルグループのオタクをやっていた時、1推しのメンバーはいましたが他にも好きなメンバーがいた方が楽しいんじゃないかと推せそうなメンバーを探すという本末転倒なことを試みたことがありますが、当然のことながら無理でした。

無理やり誰かのファンになることなんてできやしないのです。

だから芹香・鳳月に不意にストンしたのは抗いようのない運命なのでした。

 

ここで私はふと疑問に思うのです。

はたして二人の人間に同じだけの愛情(というと大げさだから熱量と言った方がよいかもしれない)を注げるのだろうかと。

何だかんだ言っても、やっぱりその熱量はどちらかに偏ってしまうものじゃないのかと。

自分では同量を注げていると思っているのに、ふとした時に客観的に問いかけたくなる。

本当にそうなの?

 

そして問うてみるのです。

どちらか一人を選べと誰かに迫られた場合、私は選べるのだろうか?

答えは「NO」です。

よくあるたとえですが、もし目の前で二人が溺れていてどちらか一人だけを助けられる権利を与えられたとしたら?

私はその権利にペッと唾を吐きかけ、行使せずに自死するでしょう。

いやいや、無理。選ぶなんて無理だよ。

一人を選ばされるくらいなら死んだ方がマシであります。

みんなで一緒に溺れようぜ。

三人とも死んじまうっていう救いのない結末にはなるけどな。

バカなオタクに付き合ってくれよ、芹香さんよ。

バカなオタクに付き合ってくれよ、鳳月さんよ。

…いや、みすみす二人とも殺してしまうくらいならどっちかを選んでおいた方がよいのかもしれない。

それならばとりあえず最初にファンになった芹香さんを選んでおいて、鳳月さんには私の命をあげて復活していただくということでどうでしょう?

なにがどうでしょうなのでしょうか?

どうでもいい。

 

実際のところ、二人に甲乙はつけられません。

違う人間だからこそ、平等に熱量を注げるのです。

それぞれに魅力がある。

その魅力に同等の熱量を注ぐのです。

どちらかを選べと言うのはナンセンス。

単推し至上主義の人はきっと「それって結局は両方とも本気で応援していないってことでしょ?」と言うにちがいない。

それは真実かもしれません。たぶん真実なのでしょう。

私は人生をかけて二人を応援しているわけではない。

あくまでも日々の潤いであるのです。趣味なのです。

だったら好きなものは多い方が良い。

だからどっちなんて選べない。欲張りなのです。

 

もしこれが同じ人間ならすぐに選べます。一方を簡単に切り捨てられます。(いったい私は何を言っているのでしょうか?)

たとえばイチゴが大好物だとして、佐藤さんが作ったとちおとめと鈴木さんが作ったとちおとめ、どちらかを選びなさいと迫られたら正直どちらでもいいと思うのです。

でもイチゴと同じくらいマグロが大好物だとして、イチゴとマグロどちらかを選びなさいと言われたら「そんなもん、選べねぇよ」となるじゃないですか。

 

芹香斗亜が二人存在する世界を想像してみてください。

花組の芹香斗亜と宙組の芹香斗亜。その二人が同時に存在している世界。

同じ人間なんだからどちらかを選べと迫られたらすぐに選べ……

 

 

選べませんでした!!

 

 

破たんしました。

私の論理は秒で破たんしました。

な・に・そ・の・し・あ・わ・せ・な・世界!!

芹香斗亜が二人いる世界。

花組宙組で推しが見れるわけ?

同時に存在しちゃうわけ??

ポーの一族』からの『天は赤い河のほとり』からの『巴里祭』からの『MESSIAH』からの『異人たちのルネサンス』からの『Delight Holiday』などなどまで、全部に出てるってことになりますけどお???

マジなにそれただのご褒美。

マジなにそれただのハライソ。

 

 

さて、真面目に考えてみます。

さんざん選べないと言っておきながらアレですけど、たしかに両者の間には熱量の差が存在します。

しかしながらそれは絶対的な熱量の差ではなく、時期的に相対的に変動するものです。

季節のもの。旬の食材のようなものです。

私は東京住みですから東京宝塚劇場花組が公演をしていれば鳳月杏に思いをはせ、宙組が公演していれば芹香斗亜を思慕するのです。

だから、私は二人に愛情を注げるのです。

 

あーきっと私は浮気ができるタイプだ。

そしてすぐにバレるタイプだ。

実際にはしないですけどそういうタイプだ。

 

それならば、もし万が一二人がまた同じ組になったらどうなるのでしょうか?

言わずもがなですが、もともと芹香さんは宙組に組替えする前は花組にいました。鳳月さんが現在所属している花組です。

私が宝塚を好きになったのはすでに芹香さんが宙組にきた後でしたので、二人が同じ組に存在していた期間を知りません。

推しが二人とも同じ組にいる。

うわ~。

そんなことになったら、どっちがどうとかじゃなくて、もう、ただひたすらに楽しいだけでしょうねぇ、きっと。垂涎ものですねぇ。

好きな人を両方とも見れるなんて贅沢すぎるし、眼福すぎるし、目が足りないいいいいっって嬉しい悲鳴を上げつつも3時間ずっとニヤけてるでしょうね、絶対。

あー、マジで3年くらい巻き戻らねぇかな。

…心の声が漏れる時はお口が悪くなる。

 

いやいや、ちょっと冷静になりましょう。

そんな状況、諸手を挙げて喜んでいられるでしょうか?

目の前に二人が立ちはだかり、今ここでどちらか選びなさいと迫られたらどうするのです? いや、むしろそんな状況になってみたい。

そして、今度の公演はその選んだ人しかオペラでロックオンできないという掟を突きつけられたらどうするのです?

 

これは由々しき問題です。

二人が同じ場面に出てくることなんてざらにあるでしょう。男役群舞となったらいったいどうするのです?

 

芹香斗亜さんのファンになったとき、もっと早く知っていたら、花組時代から知っていれば、などと栓なきことを考えたものです。

でも今となっては芹香さんが宙組にいたからこそ私は花組の鳳月杏さんのファンにもなれたのだと思います。

同じくらい二人を好きになれたのだと思います。

  

上演中、誰かにオペラロックオンすると、当然のその間は他の人に目がいきません。

先日、宝塚大劇場の方に『白鷺の城』『異人たちのルネサンス』を見に行きました。

私は上手の比較的前の方の席で見ていたのですが、芹香斗亜さんを中心とした男役群舞のところで芹香さんロックオンしていたところ、上手花道のセリのあたりに宙組トップスターの真風さんがいたにもかかわらず私はそのことに一向に気づかず、周囲がみな一様に真風さんに視線を送っている中で、私はまるで川をさかのぼる鮭のように逆方向をしきりに見ていました。

ふとそのことに気づいて、ハッとしつつ恥ずかしくもありましたが、芹香斗亜を見たいのだからしかたがない。芹香斗亜を見たくて東京から来たのだからよいではないか、となりました。

こんな状態なのですから、芹香さんが組替えしてくる前の花組を見ていたとして、はたして鳳月さんの魅力に気づけたかどうか? 全くもって自信はありません。

逆に、先に鳳月さんのファンになっていたとして、芹香さんの魅力に気づけたかどうか。それもまた自信はないのです。

つくづく、違う組でよかったね。

 

さて「ウソだろ!?」と思うかもしれませんが、ここからが本題です。

前置きが長すぎる。

現実には芹香斗亜さんと鳳月杏さんが同じ組になることはもうないと思っています。

(とはいえ何が起こるかわからない世界ですし、まして宝塚のことをあまり知らない初心者の私には100%そうだとは言い切れないですが…)

そこで【同じ組に推しが二人いるんだよめちゃくちゃ嬉しいよね体験】をしてみようと思い立ったのです。

それは何かと言うと、なんてことはない、芹香さんの花組時代の作品をあらためて見てみるだけのことです。芹香斗亜と鳳月杏という二人のタカラジェンヌを好きな今、あらためて見てみるのです。

もしも二人の推しが同じステージにいたら私はどうなるのか?

単純にそのことに興味を抱いたのです。

しかし現実の舞台ではそれはもう叶いません。だからDVDで疑似体験してみるのです。

実際に劇場に行った体で見てみるのです。

巻き戻しはご法度。

(メモを取るために一時停止は許可)

 

何を見ましょうか?

芹香さんと鳳月さんがたくさん出ている作品がいいですねぇ。

 

ということで 『MY HERO』を見てみようと思います。

 

kageki.hankyu.co.jp

 

以上、だから何?っていうお話です。 

 

 

※続きが気になるという殊勝な方がおられれば…こちらを。

 

nacky-new.hatenablog.com