バカにつける薬はなし〜妙なファンがついてしまいました。
唐突にカミングアウトするが、私は芹香斗亜さんのことが好きである。
とうとう【気になる】から【好き】になってしまった。
宝塚に興味を持ち始めた頃、お顔を拝見してすぐに「タイプじゃない顔」にカテゴライズしてしまったため、彼女の存在は自動的にクローゼットの奥の方に片づけられた。
その後宙組の『WSS』が国際フォーラムで上演されることを知るが時すでに遅しで、チケットなど手に入るはずもなくあっさりとあきらめた。それから数か月後に一大事が待ち受けていることなど知る由もない私は、『WSS』を見れないことにことさら悲しみを覚えることもなく、のん気に、ただひたすらのん気に日々を過ごしていた。
やがて初夏になり宙組公演を拝見したところ、頭をぶんなぐられたかのような衝撃を受けた。ノーマークだった高校球児がいきなりドラフト1位になったようなものだった。とはいえノーマークだと思っていたのはポンコツな自分だけで、他の人たちの中では常に話題に上る人材であったというのが実際のところである。
これは一大事だ。
私は慌ててクローゼットの奥から彼女を引っ張り出してきた。軽率に「タイプじゃない顔」にカテゴライズしてしまった自分をひどく責めた。
あぁもうちょっと早く気づいていれば!!
何度そう思ったことか。
しかし所詮私はにわかファンである。「もうちょっと早く」と言ってもたかが知れている。
たとえクローゼットに仕舞い込んでスルーしていたあの期間がなかったとしても、結局のところ芹香さんを好きになるタイミングは変わらなかったと思う。
この目でラムセスを見るまでは何も起きなかった。そうにちがいない。
テレビの向こうや舞台の上の人たちのことは、どうしても顔で印象を決めてしまいがちだ。顔面至上主義に賛同したくはないが、初見でその人の全てがわかるわけがないのでしかたのないことだ。
人には【どストライクの顔】というものがある。そのカテゴリに入る人は当然印象が良くなる。無条件に印象を良くしてしまうとも言える。
逆にそうではない人はさほど興味を持つことなくそこで終わる。何かの拍子でピックアップされない限り埋もれていく。別に好きでも嫌いでもないポジションに落ち着いてゆく。
もったいないことに、埋もれてしまうとその人の良さを知るきっかけも失うことになる。まさに芹香さんがそうだった。
誰も興味はないだろうが、私は目が二重でくりっとしていて前歯がちょっと大きくてリスっぽい顔が好きだ。大島優子ちゃんや暁千暁さんみたいな顔である。
だから必然的に入口はそういう人になってくる。一番最初に飛びつくのはたいてい【どストライクの顔】の持ち主になる。
でも不思議なことに、そういう人にハマることはあまりない。
これはあくまでも私個人の場合だけれど、そういった傾向があるように思う。
とはいえまた月組公演でも見ようものなら【暁千星さん好きすぎる!】とか言ってる可能性は大である。
かなり大である。
じゃあいったい私は何にハマるのか?
伏兵はクローゼットで待ち構えている。ラムセスがあの青い槍を携えてクローゼットの隅に陣を構え、暗闇の中でその時を待っていた。
【どストライクの顔】は意識的にしろ無意識的にしろ自分から探しに行っているから、出会った時の心構えはできている。正面から迎え撃つ用意はできている。そのため出会った時のダメージは、決して小さくはないがそれほど大きくもない。
一方、一度クローゼットに片づけてしまったものには背を向けている。そうやって油断しているところに、不意打ちを食らわせてくるのだ。しかも自分が最も得意とする必殺技を初手から繰り出してくる。ずるい。ずるいんだよ。だから「えええええっおまえかよまさかおまえに撃たれるなんてええええええぇぇえうそだろ!」となる。超大型級の衝撃波である。
もしくは、あまり刺され慣れていない足の裏を蚊に刺された時のような異様な痛痒さ。
相変わらず私のたとえはわかりづらい。
とにかく琴線へのふれ方が尋常ではないのだ。ふれるどころか鷲掴みにされてぐるんぐるんに振り回されて吹っ飛ばされる。
私は劇場で不意打ちを食らったあの瞬間から、彼女のことが気になって気になってしかたなくなった。まるでウルヒに何やら不穏な言葉をかけられ、あやつられたかのようだ。
うそだろ、まさかおまえに心奪われるわけがないんだから。そう思いながら「おまえ」のいろいろな写真やら動画やらを漁りまくる。何かの間違いだと確認したくて漁っている。吹っ飛ばされたのに懸命に立ち上がり、なおも立ち向かおうとする。
もう、その時点ですでに落ちてるのだけど、本人は全く気付いていない。
満身創痍になって降参するのは時間の問題だった。
ラムセスがクローゼットの隅でニヤリとほくそ笑んでいる。
事実、私は芹香さんのあまり好みじゃない顔写真を見て「うーんやっぱりそれほど好きな顔じゃないなぁ」なんて思いながらも「ふふっ」って微笑ましく眺めていた。
Amazonで『ベルサイユのばら‐フェルゼンとマリー・アントワネット編‐』を見て「いや、なんか違う。このオスカルなんか違う…」なんて思いながらも「ふふふっ」って微笑ましく見ていた。
そして私はいつの間にか芹香斗亜さんの虜となっていた。
すっかりファンになりました。今後ともよろしくお願いします。
舞台上の彼女はすごくカッコよくて憧れるし、素の彼女の顔はタイプじゃないなどとふざけたことを口走っていたにも関わらず今は可愛くてしかたがない。多くの人がそうであるように、あの笑うとなくなる目、チロって顔をのぞかせる犬歯(あれ犬歯?)にやられた。
カッコよさと可愛さ。その2つの魅力にいつも両の頬を殴られている。
あぁ恥ずかしい。書いていて恥ずかしい。実に恥ずかしい。
どの口がほざいているのだ。
かつて、なんでこの人が2番手なんだろ、などと疑問に思っていたバカモノ(=私)に土下座をさせたい。市中引き回しの上、どうにでもしてください。
でもさ、よかったよね。
芹香さんの魅力に気づけてよかったじゃない。
めでたしめでたしだね。
ハートだよおっ!
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あぁ。
ここで終わりたかったな。
ホントはここで締めたかったよ。
しかしそうはならないのだ。
ところが話はここで終わらないのだよ。
どうやら私はめんどくさいタイプの人間らしい。
好きなら好きでその気持ちに素直になればいいじゃない。そう思うのだが私は今好きな気持ちを抑え込もうとしている。
私は好きになったら一直線なタイプなので、誰か一人を好きになるのはとても危険なのだ。ヲタク気質だから際限なく金を使ってしまうし、生活の大部分をそこに持って行かれる。一歩間違えれば厄介ヲタになるかもしれない。優良ヲタと厄介ヲタは紙一重だ。別に私が優良というわけではない。
そしてなによりも【単推しはしんどい】ことを知っている。
ドルヲタ用語の方が馴染みがあるので使いますけど、いわゆるDD(誰でも大好き)な方が楽しいヲタク人生を歩めると思う。自分がAKBヲタ時代5年以上同じメンバーを単推ししていた経験からすると、心底そう思う。いろんなメンバーに可愛い可愛いってなっていた頃の方が楽しかった気がする。
もちろん単推しだって楽しい。めちゃくちゃ楽しかった。後悔はしていない。でもしんどさもけっこうあったのは事実。
だから私は宝塚に興味を持ち始めたとき、特定の誰かを好きになるより全組にそこそこ好きな人ができて全組同じくらいの気持ちで楽しめたらいいなぁと考えていた。
あれ…仙名さんの存在はどこに行ってしまったのかな?
きっと花組を見たらすぐに浮上するにちがいないのだけれど。
仙名さんてそこはかとなくにじみ出るエロさがありますよね…。
あの感じ、すごくいいですよねぇ。
あ、余談でした。
特定の誰かに熱を注ぐことはあまりよろしくない。
少なくとも私はそれをすべきではない。
これ以上好意を増幅加速させてはならぬ。そう戒めているのです。
当日券並びに行ったついでに入りのギャラリーできるかもなんて一瞬思ったけど、至近距離で実物を見るのは心臓によろしくないからやめときなよーって言い聞かせた。
そもそも行こうと思えば行ける当日券も我慢している。
毎朝通勤時には『BADDY』を聞いて宙組のことをあまり考えないようにしている。
先日うっかり買ってしまった『MY HERO』はまだ封を開けていない。
なんなら一緒に買った『ハンナのお花屋さん』は途中まで見てやめた。
これはあかんやつだった。【芹香斗亜+全身白】は私の中では無条件降伏するしかないみたいで…。これ以上はもう見れない、見てられない、ダメなやつと判断して慌てて停止ボタンを押したのは3日前。ただ今絶賛封印中である。見るな危険。まぜるな危険。冗談でもネタでもなんでもなく、本当にあれから見ていない。
ん? お茶会? んあぅ、とんでもない。万が一行けるチャンスが目の前に転がってきたとしても蹴り飛ばす所存。いやいや無理。次の日からまともな生活送れなくなるのが目に見えている。廃人決定。仕事なんてしてる場合じゃないって悪態ついて職場でそわそわしてばかり。常に上の空必至。
仕事くらいはきちんとしないと。お金は大事だよ。
以前Twitterで【推しの視界に自分を入れたくない】というのを見かけたけれど、今の私はその逆で【自分の視界に推しを入れたくない】という状態になっている。
なんでだよ。わけがわからん。もうカオス。推しなんて見たくて見たくてしかたない存在のはずなのにね。倒錯しすぎてる。アホにもほどがある。
うん。
私だいぶヤバイやつだな。
ファンを始めた瞬間に末期。
いったい何の修行をしてるんだろう??
ひどくこじらせている。
ただのアホ。
ただのドM。
ただの変態。
どう考えても逆効果。抑圧されると反動ってのは悪い方に転ぶ。
本当に気持ち悪いヲタクができあがりそうだ。
大丈夫かな私。
とても心配です。
そんなキモヲタ一直線の私にも、唯一の救いがある。
それは熱しやすく冷めやすいということ。
私はけっこう飽きっぽいのです。
ふと気づけばこのブログも珠城さんや美弥さんや月城さんや暁さんの話ばかりしてるかもしれない。あるいは星組で見つけた誰かの話ばかりしているかもしれない。
芹香さんはいったいどこ行ったんだ????これだからにわかは嫌いなんだよ!!って陰口をたたかれているかもしれない。
そして今こうやって好きな気持ちを必死に抑え込もうとしてるのも、あとになって考えてみれば『あれさ、ただの変態プレイだったよね、えへへへ』なんてヘラヘラと思い出話にしているかもしれない。
ん?
これはプレイなのか?
変態プレイなのか?
そんなことをしてるヤツは『はぁ? おまえ、だいぶ変態だなあ。気持ち悪いぞ』とラムセスに青い槍でチクチクつつかれればいいのだ。
あ、でもたぶんそれ、逆に喜んじゃうやつ。
…バカにつける薬はないとはこのこと。
目を覚ませ。
いやもう1時だ。早く寝ろ。