初心者の覚え書き【宝塚】

宝塚はじめました。

にわかのつぶやき

にわかが『邪馬台国の風』を見てみた~芹香斗亜さん演じるクコチヒコの観察

ロスですねぇロス。

宙組ロスラムセスロスセバスチャンロス芹香ロス斗亜ロスキキロス。

宙組さんが東京からいなくなってしまって1週間弱が経ちます。東京と私の心にぽっかりと大きな穴があいてしまった。

ヒぃ。

ロスを埋めるためにはどうしたらいいのですか?

何か他のもので埋めましょう!

ということで『邪馬台国の風』を見ました。

 

kageki.hankyu.co.jp

 

そういえば『MY HERO』はまだ封を開けていません。これは取り扱い注意だと思われるので危険物取り扱いの資格を取得してから挑みたいと思います。

と、こんな風に『MY HERO』をずっと後回しにしてばかりだけど、勝手に自分でハードル上げてしまっているので、もし『MY HERO』に対して【意外とそうでもないね】という感想を抱いてしまったらどうしよう、と今から不安です。

…なら早く見ろ? その通りだ。

 

 

邪馬台国の風』はにわかの私ですら「トンチキ作品」として有名らしいことをうすうす知っていました。

どこかどうトンチキなのかよく知らんが私はにわかファンだから「これが宝塚なんだよ」っていう言葉を添えられて紹介されたら「へえそうなんかぁ」と純粋無垢にこの作品を受け入れられる気がするのです。

だから余計な先入観は捨て、真っ白な気持ちで見始めました。

 

注)以下、無駄に長いです。約1年遅れでの感想ですし、目新しいことなど何ひとつとして書かれておりません。

 

 

第一場。

プロローグで明日海りおさん演じるタケヒコが歌っていたところに芹香斗亜さん演じるクコチヒコが出てきて踊ります。

クコチヒコたちが登場する時のタケヒコの「はっ、はあっ」とブルっとする顔が好きすぎて何度も見てしまいました。と同時に好きすぎて見過ぎてしまい、クコチヒコの登場の冒頭を見逃す失態を何度も犯してしまいましたが。

とりあえずクコチヒコさん、さっそく出てきてくれて嬉しいぜ!

…と思ったのもつかの間。

同化シテイル。闇ニ同化。全身ガ黒イ。同化。見ヅライ。黒イシ暗イシ。見ヅライネ。黒ト黒。見ヅライヨ。

片言の雑感がポツポツと心に浮かんでは消えていきました。敵役だから黒い衣装なのはわかるのですが、なんせ舞台上が暗い。若干の見づらさを感じる。

そんななかのクコチヒコの挑戦的なニヤリ顔と、不敵な笑み。芹香さんのこういう表情は何かしらの文化財に指定したいくらいですね。すごく好きです。

たいていこういう表情を見るとなぜか私も一緒に「ニヤリ」とか「フッ」とか、彼女と同じ顔を作ってしまいます。ついやりたくなってしまうのです。私のような凡人がやっても何の絵にもならないし、それどころかブサイクが何やってるんだっていう話なのは承知の上ですけど。

ふと思ったのですが、天河のラムセスしかりノスタルジアのセバスチャンしかり、主役に対して挑戦的であったり嫉妬に狂った表情を向けたりするのはやっぱり2番手だからこそなのかなぁと。だからもし彼女がトップになった場合そういう立ち位置じゃなくなるだろうし、とするとあの表情が見れなくなってしまうのかな、なんて考えたらなんだか少し残念な気がしてしまいました。

私は宝塚の作品を全然知らないので、ダークさがぷんぷん香る主役(無知識のためエリザベートのトートくらいしか浮かばないぜ…)があるのなら、そういう役をぜひやってほしいな、なんて思うのです。

それがダメなら、ヒリヒリするほど痛々しくて苦悩しまくる役。眉間の皺が見たいのだ。深く刻まれた芹香斗亜の眉間の皺が。

ただし笑顔キラッキラの芹香さんも見たいので、その際はぜひ1本ものじゃなくてショーのあるやつでお願いしたいですけど。

あとすごくどうでもいい話だけど、邪馬台兵と狗奴兵が二手に分かれて踊る感じが、AKB48チームKの『メロスの道』という曲のイントロ部分に雰囲気が似ていて、懐かしむ私がいた。こんなフォーメーションよくあるやつだろうけど、なぜかそれがポンと浮かんでエモさが爆発した。

クコチヒコは何も発することなく、仲間たちと踊り散らかして去っていきました。これはまたお預け状態になるのでしょうか?

 

第二場、第三場

少年時代のタケヒコを演じる華優希さん。とても可愛らしい。すごく誰かに似ているのだけど、それが誰だかわからなくてもやもやします。

高翔みず希さん演じる李淵に、湯の中に手を突っ込んでも大丈夫なのはなぜか考えてみなと言われた少年タケヒコ。

最初はうーんって考えていたのに…

なぜか急に棒を振り回し始めた!

なぜだ? 

いったいどうしてだ?

さらに「はぁー、はああああああ」って雄叫び上げながらじわじわと袖に引っ込んでいき「はぁー、いやぁー!」ってこれまた雄叫び上げながら成長したタケヒコが出てきたっ!!

え?

ん?

わたくし、この流れにポカンとしてしまいました。おいてきぼり感が募ります。

でも袖に引っ込んだとき棒の位置は固定されているから、袖で少年タケヒコが棒の高さを極力保ちながら持ち、その棒を素早く受け取って大人タケヒコが勢いよく走り出る時、さっと身を翻しながらよける少年タケヒコを勝手に想像したらなんだかいとしくなった。この一連の流れ、意外とスルメかもしれない。

 

李淵を狗奴国に連れていこうとクコチヒコたちが登場します。

 

狗奴国の君ヒミクコに仕えるクコチヒコにございます。
狗奴国の君ヒミクコに仕えるクコチヒコにございます。
狗奴国の君ヒミクコに仕えるクコチヒコにございます。
狗奴国の君ヒミクコに仕えるクコチヒコにございます。
狗奴国の君ヒミクコに仕えるクコチヒコにございます。

 

舌噛みそうだな。
そう思って試しに5回連続で言ってみたらかろうじて言えました。だから何なんだって話ですけど。

やっぱり舞台が暗いなぁ。タケヒコが夕餉の材料がなんたらかんたらと言っていたから夜なんでしょうけど。

でもそういう演出のおかげでクコチヒコの顔の左半分にスポットが当たり、いっぽう鼻から右半分は闇にとけ込み、その陰影が非常に美しかった。時おり右目が闇の中から浮かび上がり、心の奥深くに隠し持った禍々しいコアの存在を感じさせる。

 

兵たちがそこそこの人数で李淵を囲んでいるのにもかかわらず捕まえるのに手こずっているのを見かねて「タタラぁ、何をしているぅ」と凄んだときのクコチヒコがちょっと笑っているように見えるんですけど、これはいったい何の笑みですか?? そう見えるけど別に笑ってるわけじゃないのかな…

その後あっさり李淵を殺してしまったから「おまえ絶対捕らえる気微塵もなかっただろ、殺す気満々だっただろ」と思いましたけど。

ああ、そうか。

これはもしかしてむしろ殺したかったやつか?

もしかして最初から斬り殺すつもりだったのか?

だから笑ってたのか…

こえええよ。

それってものすごくサイコパッス! 

ゾクゾクしますね。

ダークすぎる役ってホントかっこいい。

どんな作品でも強い敵役の方がカッコいいんですよね。

スターウォーズのダースベイダーしかり、ダークナイトジョーカーしかり(完全に自分の趣味)


その後の銀橋でクコチヒコが歌っている時なんですけど【顔はちょい右斜め下に向けてからの視線は左上へ】の芹香さんの表情が絶品過ぎて、毎日ポケットに忍ばせて持ち歩きたい。

「すべての国をわれら狗奴兵が踏みしだく~」(歌詞違うかも?)のところです。

もう狗奴国に跪くしかなくなる。

 

第四場。

邪馬台の兵が仙名彩世さん演じるマナを連れていく道中、クコチヒコが現れて襲いかかります。
クコチヒコさん、人を斬るたびにうっすら笑ってるよねー。サイコパス補正してるからそう見えるだけなのかな。(…サイコパス補正とは?)

タケヒコが立ちはだかったときも口の端がほころんでいるし、逃げていくタケヒコとマナをあえて追わず手を挙げて狗奴兵たちを制止し「楽しみは後にとっておくぜぇ。ほらほら逃げろ逃げろぉ。ふひひひひ」と言わんばかりのまったくもって嫌らしい笑みを浮かべている。

こいつ、本当に人をいたぶったり斬りたくて仕方ないんだな。

うん。実にサイコなパスだね。

いや、サディストと言うべきか?

多くのサイコパスは見るからに悪人というよりも、一見人当たりがよくて人懐っこくて人気者らしい。クコチヒコはその基準からは少しずれていると思うので、ただのサディストかもしれないね。

いずれにせよ、良い。とても良いね。とても良いよ。


ところで、アシラ役の鳳月杏さんがとんでもなくイケメンすぎますね。

見た目もそうだけど、しゃべり方の男前度が超メガ級です。

語尾の息の抜け感がね、ホントにすばらしい。

説明するのが難しいのだけど、語尾に小さく「H」が入るんですよ。

おまえが(はぁ)

救うたのか(はぁ)

腕はたつようだの(ほぉ)

兵にならぬか(はぁ)

もちろんこんなにはっきり「は」とか「ほ」とか言ってないですよ?

ほんの0.1グラムほどの「H」がハラリと語尾に振りかけられているんですよ。

ホントに説明が下手で申し訳ないのですが、このしゃべり方、大いに聞き惚れますね。

ちょっと間違えると関根勤さんがものまねする千葉真一さんになってしまうけど。

 

第五場。

銀橋でタケヒコとクコチヒコが掛け合いで歌う場面。

「大地のすべて我らが食いちぎれ」と歌うところの芹香さんの手の綺麗さに視線がいってしまいました。物騒な歌詞なのにねぇ。

小指から順に折って手を握るんですけど、その動きはなめらかさの中にほどよい力強さがある。そもそも指が細くて長いからそれだけで綺麗。手が綺麗な人って憧れます。自分の手がどん詰まりちんちくりんなブサイクだからよけいに。

もはや、あの握られた指の中にそっとくるまれたいとすら思いますねえ、ええ。

まったくもってキモヲタですね。

申し訳ございません。

でもね、ホントに「サイコパス的サディストのくせにおまえ綺麗な手をしているな。手が綺麗なヤツに悪人はいないんだぜ。本当はそんなヤツじゃないんだろ? オレは知ってるんだ」なんて口説きたくなるくらいですよ(全然口説きになっていない)。私は完全に自分の立ち位置を見失っている。

サイコパス的サディストを口説きにかかるなんて、殺されるフラグでしかない。

サイコパス的サディストってなんだろう?)


ああ、まずい。

これはまずいことに気がつきました。

ここまでつらつらと書いてきたのだけど、よく見たら本編が始まってまだ30分も経っていない。

終わらない。どうしよう…

クコチヒコを見過ぎてる。

これはあれか。もうクコチヒコだけに絞った方がよい感じか?

巻きでいくしかない…

巻いてこー!


クコチヒコ以外でこれだけは書き残しておきたいやつ。

・イヤサコが宮迫にしか聞こえなくて困る。

・フルドリって聞くたびに揚げ鶏(セブン-イレブンのやつ)が脳裏をかすめて、食いしん坊ってホントいやですね。

・城妃美怜さんが好きだ。

・狗奴の砦はイサカが放ったたった2本の矢だけで燃え盛ったのですか? その矢があればもう無敵じゃないですか?

・ヒミコがかつてタケヒコが救ったマナだということを、もしかしてアシラは気づいていないのですか? きみが邪馬台まで連れていかなかったですっけ?

・狗奴王ヒミクコの星条海斗さんからあふれ出る草刈正雄感。

・城妃美怜さんが好きだ(2回目)

以上。おけ!


あぁでもでも、クコチヒコに絞ろうと思ったのにどうしても気になる。

第十三場でヒミコとタケヒコが密会しているのがバレたあとの…

瀬戸かずやさん演じる奴王ヨリヒクが歌うアレ。

 

「ヒミコ様がとばり中におのこをはべらせた」

「ヒミコ様がとばり中におのこを入れられた」

 

この歌、耳に残りすぎる。呪文のように脳裏にこびりつく。めちゃくちゃいい声で【おのこをはべらせた~】って歌う瀬戸かずやさんがなんだか愛しくて…夏。

 

あと第十四場でタケヒコが盟神探湯に勝利したあと、天真みちるさん演じるナシメが「タケヒコに神のご加護があったあああ」と叫ぶと、脇から感極まった人たちが間髪入れずものっすごい勢いで側転したり「タケヒコさまぁ」ってわめきながら出てくるのが…。

早い早い。早いな出てくるのがっ!

と思わず突っ込んでしまいました。

普通もうワンクッション何かがあるような気がするんだけども…まあいいかあ。もうなんでもいいよぉ。

 

おい、クコチヒコのことだけを書くんだろ。

いい加減にしなさい。

 

さて、第十六場でクコチヒコ様が銀橋でお歌いになられるのですが、芹香さんの手が非常に綺麗なことに気づいてしまった私は、もう、手のしなやかな動きが気になって気になってしかたなくなってしまいました。顔よりも手ばかりを見ている始末。

もちろん何度も早戻しして顔もきちんと見ているのですよ。だから全然先に進まないのだ。

…あ、突然ですけどお茶会って握手があるらしいじゃないですかっ!

あの御手で握手なされるんですね。それって卒倒する事案じゃないですか? 大丈夫なんですか? 握手されたみなさん、きちんと生きて帰還しておられるのでしょうか? 私は本当に無理だと思う。気づいたら翌日の夜になってるにちがいない。

 

「兵よ、アケヒ殿をお連れしろ」でまたもやうっすらとニヤつき「邪馬台を陥れれば、連合の国などひとつひとつ叩き潰していくだけ」では目を細めて顔をしかめてからの目ん玉ひんむいてうすら笑い。

【負のキラキラ】がはじけている。あふれ出ている。

最高かよ!

もうさ、ずっとこういう表情をしていればいいのに。

ずっとニヤリとして不敵な笑みを浮かべて目を細めてその後目ん玉ひんむいて手をしなやかに動かしていればいいのに。

…いや、それは怖い。

これではもはやサイコパス的サディストなどを通り過ぎて、異世界に旅立ってしまわれた様子のおかしいお方になってしまう。

 

私はもしかしたらラムセスよりクコチヒコの方が好きかもしれない。

いまのところ…
アベル=クコチヒコ>ラムセス】
うーん、いや。
アベル>クコチヒコ≧ラムセス】

いやいや、やっぱりラムセスを最下位に置くのは違和感を覚えるな。

 


第十七場。

タケヒコが普通にヒミコの寝所に入ってくるんですけど、第六場あたりではわざわざ巫女に扮していかなかったっけ? 意外とすんなり侵入できるじゃないですか。んんん? どういう構造になってるんだろ?
まあいいかあ。

 

第十八場B。

クコチヒコが邪馬台への攻め入り方についてヒミクコと話しているのだけど、意外と兵の進め方についてきちんと考えてるんだね、と妙に感心してしまいました。

ただ人をバッサバッサと斬りたいだけのサイコパス的サディストじゃなかったんだなって…。

 

第十八場C。

そしてついにこの時がやってきます。

クコチヒコがタケヒコとサシで戦っているんですけど、斬りつけて倒れたタケヒコにとどめを刺そうとしたクコチヒコが、急に苦しんで倒れたのです!

えっ?

ごめん。わからない。

なんで?

これは何の力が働いたということ?

ヒミコの力とか?

それとも李淵から授かった剣がここでようやく何かの力を発揮したのか? そんな風には見えなかったけど?

わからない。わからない。わからない。

私は何かを見落としたんだろうか?

クコチヒコはいったい何にやられたのですか?

 

…と初見では疑問すぎて心がジタバタしたけど、今ふいに理解した。

あれか。北斗の拳の「オマエはもう死んでいる」的なやつか!!

タケヒコとクコチヒコが互いに斬りつけるのが同じくらいのタイミングだったから、その時にタケヒコがクコチヒコに剣をさくっと刺していたってことなのね。

わかりずらい。とてもわかりずらい。

まぁ、きっと私の理解力のなさのせいなんだろうなぁ。

 

これにて芹香斗亜さんの出番は終了いたしました。

もうあとはポカンとしたまま流れていく映像を見つめるだけである。

 


まもなく日の光が消えこの世は闇になるとおっしゃいましたが、私にはずっと闇でした。舞台は暗く、常に闇でした。

タケヒコって背後から思い切りクコチヒコに斬りつけられませんでしたっけ? もう全然傷を負っていないようだし、ピンピンしていますね。かすり傷程度もないらしい。

ヨリヒクがヒミクコと通じていたことがバレて、みんなに責め立てられた瀬戸かずやさんが悔しがるシーンはないのですか?

李淵がくれた剣は結局のところ何の意味も持たせられてはいないのですか?

 

さまざまな疑問が頭のなかをぐるぐると駆けめぐっているうちに、タケヒコとヒミコが優雅に踊って幕が下りました。

 

 

どこが盛り上がる部分だったのかいまいちよくわからなかったけど、これは見れば見るほどじわじわと何かが刻まれる作品かもしれないですね。いろんな意味で面白いですし。

この映像は宝塚大劇場で収録したもののようだし、東京ではもうちょっと違ってたりするのだろうか…?

とにかくクコチヒコのワルカッコよさが爆発してたから、私としてはもう何でもよいのだ。

 

来月スカイステージで東京の千秋楽が放送されるらしいし、なんなら『MY HERO』とか『カリスタの海に抱かれて』とか花組時代のものがたくさん控えていて連日芹香斗亜日和みたいだから、とうとう入る時が来たのかもしれない。

 

『Santé!!』はこれから見る。