初心者の覚え書き【宝塚】

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『MY HERO』妄想鑑賞~芹香斗亜さんと鳳月杏さんを好きな私があらためて見る。

※今回の妄想記事を書くに至った経緯についてはこちら

 

nacky-new.hatenablog.com

 

 

今日は待ちに待った『MY HERO』観劇の日です。

大好きな芹香斗亜さんと鳳月杏さんの二人が出演するとあっては、見逃すわけにはいきません!

二人の推しがたくさん出てくるに違いない舞台。

たくさんも何も芹香さんにいたっては主演だから、9割方の場面に登場するのは間違いない。鳳月さんにしても2番手(別箱の場合でも2番手というのかどうかわかりませんが…)だから、それなりの場面で顔を見せてくれるはずです。

こんな贅沢な舞台ありますか? 

あるんです! それが『MY HERO』なのです。

というわけで、そわそわしつつオペラグラスをしっかりと用意して開演を待ちましょう。

 

客席暗転。

あ、始まった始まった。お、オープニングがいきなり映像か。

軽く登場人物紹介といったところだけど、すでにノア・テイラー役の芹香斗亜とテリー・ベネット役の鳳月杏がイケメンすぎる。

あっ、ちょ、今テリー役の鳳月さんがマイラ・パーカー役の音くり寿ちゃんの頭を軽くなでてから肩を抱き寄せなかった? 

なにそのスマートな振る舞い。イケメンかよ。イケメンだよ。

というか芹香からの鳳月からの芹香からの鳳月がパパパンってめまぐるしく映るから気が抜けない。

大好物のイクラ軍艦巻きとヒラメのエンガワの握りが交互に出されてくるみたいだ!

やっほほいっ!

序盤、制作発表の場面でのノア芹香の表情。周囲の人間に向ける時と心の内を表現している時で、コロコロと変わるのが秀逸。

常々思っているけど、芹香さんの顔の筋肉って相当やわらかいんだろうなぁ。

本当によく表情が動く。あっちこっちそっちどっち。

 

つくづく推しが主演ってすごいなぁと実感。

しょっぱなから真ん中でスポットライト浴びてテーマソングを歌っているんだよ。その姿を遮るものはないし、見たい放題です。

あぁ、よく見える。よく見えるよ。

正直今はノア芹香しか見ていないね。他の人が何をやっているのかちっとも知らないよ。テリー鳳月もまだ出てこないしね、ノアさえ見ておけばよいよね。

…ん? え? 出てないよね、テリー。それを確認するために慌てて一瞬だけノア芹香からオペラを離し、全体を見渡す。よしテリーはまだいない。

すぐにノアに視線を戻して堪能する。

え?

ぎゃああああ!! 

いないと思ったら出て、きた??

今一瞬オペラの中にその姿がフレームインした、ような…

再度ノアからオペラをはずし、後方を確認。

い・る・じゃん!! そこにおる。

いつからいたのかよ、おぬしは。

ノアの背後からいつの間にか登場していたんだよ、テリー鳳月さんよお。

ちょ、ホントに、いつ出てきたんですか? 登場シーン見逃したのか私は!?

 

ちょっと待ちなさい。どうしよう。今、私は、どちらを見たらいいんだ?

きっとこの場面、二人とも極上にカッコよいパフォーマンスを見せてくれてるやつ。

そうに違いないのですよ。しょっぱな、みんなで歌い踊るシーン。第一の見せ場だからね。

私は迷いに迷ってオペラを通さずに舞台を見てみる。推しがふたり縦のラインで並んでいる。これだと二人とも一緒に見られる。

…が、遠い。舞台まで遠い。私の席はセンターブロックとはいえ、けっこう後ろの方なのだ。オペラなしでは表情を全く確認できない。

ここはどちらかに絞るしかないのか。心を鬼にしてどちらかを切るしかないのか…。

そう思っていたらテリーが歌い出した。ここはノア芹香をあきらめてテリーにオペラをををををを。

 

鳳月さん足長いよなぁ、めちゃくちゃカッコいいよな、憧れるわいなあんなスタイル。

…と見とれていたらテリーが階段を下りてきて、ノアの横に並んだんだよ。

すかさずノアとテリーの二人をオペラの中に入れる。ギリギリ二人が一緒に入ってくれるんだ。ありがてぇ。

なんですかね、この眼福なこの空間、この瞬間。

ありがてぇ。本当にありがてぇ。ずっとこの距離感でお願いしたい。

との願望もつかの間。

 

ちょちょーい、客席降りかーい!

せっかく二人をオペラで同時捕捉できたのに、ノアが客席に降りちまったよ。

もう、これはさ、ノア芹香を見るよね。だって芹香斗亜さんを近くで見れるチャンスかもしれないんだから。

もう舞台上のテリーが何をやっているのか、どんな表情でいるのかさっぱりわからないよ。ごめんよ、私。ごめんて。今はこっちに近づいてくる芹香斗亜殿を見ているの。オペラなしの裸眼(?)で見ているの。

 

あぁ、けっこう近くで見れたよ。ふふふ。

そしてノアは舞台に戻っていく。その背中やら後頭部を名残惜しく見ていたいけれど、私にはその猶予はない。

すかさず舞台のテリーにオペラを戻す。

おおう、めちゃくちゃいい笑顔で歌ってはった。きっと私が見ていなかった時間もこのキラッキラな表情であったのだろうな。それを目にしていないことにほぞを噛む思い。

好きな人のすこぶる楽しそうな笑顔は私をも幸福にするの。だから絶対に見なければならないものなのだよ。

 

舞台に戻ったノアとテリーは上手下手に分かれて歌っています。

わ・か・れ・る・な。

くっつけくっつけぇ、と地団駄を踏みたくなる。

私は降参。どうしようもなくなってオペラを下ろし、この二人の推しが一番前で歌っている姿を見ています。キラキラの笑顔で、心底幸せそうに歌っている姿を見ています。表情はよく見えないけど、きっと二人ともとてもいい顔をしているにちがいないのだ。

 

左右から同量の萌えビームが届く。もはや細かい表情など見れなくてもよい。

推しが、二人の推しが、目の前で、一番前で、キラキラと輝いている。

そのことを思うだけでよいのだ。感じるだけで素晴らしいのだ。身動きが取れないほどの幸福感。もはや私は脳内麻薬を浴びたかのように麻痺し、多幸感など通り過ぎて【無】になりかけていた。

下手したら悟りを開きそうな勢いであった。

 

歌い上げた二人がいったん舞台袖にはけた。

私は気を取り直す。

驚いたことに、開演してからまだ10分ほどしか経っていない。

しょっぱなからこんなに感情が忙しいなんて想定外だった。

これはもたない。最後までもたないかもしれぬ。

 

ノアが前方で演技している場面で、後方にテリーがいる。ちょこちょこ芝居をしている。セリフを言っているノアも当然見たいし、後方のテリーの様子も知りたい。ノアの振る舞いに対して、表情や動きでリアクションしているテリーを見たい。

 

舞台は映像と違って前方で芝居をしている人以外も、後方や脇でそれぞれがそれぞれの役をきちんと演じている。たとえ自分のことを誰も見ていないとしても、それぞれの役を生きている。そういうのを見るのが楽しい。

推しであればなおさら、今この瞬間何をしているのかとても気になる。

しかし推しが一人ならその人だけを追えばいいけれど、二人だとどうにもこうにも埒があかない。

だから私は決めたのだ。

 

・舞台上に推し二人いるときはオペラロックオンはあきらめる。

・二人が半径2メートル以内に近づいたらオペラ用意。

・二人をオペラ内におさめられるならそれはよし。ダメなら上下右左上下右左と小刻みに両者にオペラを動かす。

・もちろん一人になればそこにロックオン!!!

 

 

仕方がない。仕方がないのです。

これは推しが二人できてしまった者の宿命。

はぁ。テリー鳳月の歌声がすこぶる男前だし表情に色気がある。

はぁ。ノア芹香の表情がすこぶる秀逸だし立ち振る舞いがイケメン。

ノア芹香を見れば「ほわ~」となり、テリー鳳月を見れば「うほっ」となる。

二人のどちらも舞台にいないことの方が少なくて、うれしい悲鳴しか漏れてこない。

ただし、とてつもなく忙しい。身も心ももたない。

だってまだ開演して20分しか経っていないのだよ。

 


…と、ここまでくだらない妄想をつらつらと書いてみたけれど、実際推しの二人が共演する舞台を見に行ったとしたらけっこうしんどいなということがわかりました。

この場合の【しんどい】というのはいろいろな意味を含んでいます。


・推したちから与えられる萌えの量が常に2倍になるからハンパない、しんどい。

・オペラの上げ下げと左右移動が尋常ではないし、どれを見てどれをあきらめるかの取捨選択をしなければなくてつらい、しんどい。

・両推しの姿を隅から隅までを漏れなく拾うことができなくて悲しい、しんどい。

・推しが一人だったとしても観劇数5回程度じゃ満足しないのに、二人もいたら5回なんて【まだ見ていない】も同然のような気がして、しんどい。

 


もしチケットが1枚しか入手できなかったとしたら、絶対に不完全燃焼になります。不完全燃焼どころではなくて、燃やすためのマッチを探している途中ぐらいです。

全体を見るのに1枚、芹香さんを見るのに1枚、鳳月さんを見るのに1枚、最低3枚は必要です。しかし【最低】とはいっても、実際これは【最低の最低の最低】であって、最低の最低の最低なんか嫌なのです。

これにプラスして、再度芹香さんを見るのに1枚、再度鳳月さんを見るのに1枚。5枚あって初めてスタートラインに立ったようなものです。5枚こそが本当の最低。

しかしながら私は石油王でもなんでもなく、ただの庶民です。趣味に使えるお金は限られている。

だから5枚で満足しろと自分に言い聞かせるほかはないのです。

これもまた【しんどい】と思う1つの理由となるのです。

もっと見たいよ! もっと見せろ!

(といってもどちらのファンクラブにも入っていない私には、そもそも大量にチケットを入手できないので、物理的に歯止めがかかるのですが)

 

とはいえ現状宙組やら花組の大劇場公演についてはそれぞれ4~5回ほど行けているので、両方足せば10回程度になるわけで、同じ組でまとめて推しを見るほうが金銭的には【しんどくない】のかもしれませんねぇ。

 

いろいろ難点はあるけれど、推しが同じ組にいるというのはなんだかんだいって楽しいのかな、などと現実ではないことに思いをはせる。

 


では妄想記事はここまでにして『MY HERO』の続きを見たいと思います。

今度は好きなときに好きなだけ巻き戻そう。

そしてじっくり二人を観察するのです。